社葬を行えば、やはり比較的まとまった出費が発生することになります。
この費用は、どこから、どのように出され、扱われるべきものなのでしょうか。
その処理の仕方、注意点などについてご紹介しましょう。
社葬で必要となった費用は、基本的に経費として、損金算入することが認められます。
ただし、いくつかのポイントを満たしていなければなりません。
まず、税法上、社葬を行うことが社会通念上相当であると認められる故人を対象にしたものであること、そして、その費用が通常要すると考えられる範囲内といえることがポイントです。
これを満たしていれば、福利厚生費、社葬費用として扱い、損金とすることができます。
社葬を行うことが社会通念上相当であると認められる人物かどうかは、死亡した人物の死亡事情、また生前における会社への貢献度、経歴や地位などから判断されることとなります。
おおきな貢献を果たした人物、重要な役割を担っていた人物であれば、問題なく認められるでしょう。
通常要すると考えられる範囲内の費用か否かは、会社の規模や、亡くなった故人の社会的地位や功績から見て妥当といえるかどうかで決まることとなります。
ややつかみにくいと感じられるかもしれませんが、あまりにも過大な葬儀費用、通例を大きく上回る費用でなければ、心配はないでしょう。
もし、過大な費用、葬儀に含まない費用を会社が支払った場合は、経費ではなく、死亡した本人への退職給与などとみなされることになります。
そうなると、扱いが異なってきますから、注意が必要ですね。
では、具体的にあげると、どのようなものが社葬費用にあたるとされる範囲のものなのでしょうか。
法律によれば、葬儀もしくは葬送の際、またはこうしたものに先だって行われる埋葬・火葬・納骨、さらに遺体、遺骨の搬送そのほかに必要となる費用が、まず認められます。
また、葬儀に際しておくった金品で、被相続人の職業や所有する財産、そのほかのおかれている事情を考慮して、相当程度と認められるものにかかった費用も含まれます。
そのほか、その葬儀の前後に生じた出費で、通常の葬儀でも必要となると考えられる費用も含めてかまいません。
ケースによって、遺体の捜索などを行った場合、その費用、運搬に要した費用も認められます。
法律的にはこのように定められていますが、分かりやすい例で挙げれば、社葬をとり行う際に利用した葬儀社への支払い、式場を借りた場合はその賃借料、僧侶や神官などにお願いした場合、その謝礼等に必要となった費用、葬儀終了までで参列者に対し、飲食物を提供したりしたことなどによって生じた接待費用、遺体・遺骨の搬送費、交通費、事務用品その他の雑費などが一般的な社葬で考えられるところであり、経費として認められるとされていると解釈できるでしょう。
ただし、損金扱いにするためには、経費としての領収書がそろっていることはもちろんですが、いくらそれらがそろっていても、実際にその社葬をとり行うことを決定した取締役会の議事録がなければなりません。
これがなければ認められないことになってしまいます。
諸々の事情から、議事録作成が事後作成となってしまうことも十分考えられますが、厳密にいえば、葬儀までに作成されたものが必要とされています。
少なくとも議事録が必要である、というこのポイントは忘れないようにしておいてください。
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「費用についてのポイント~1」
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