社葬をとり行う際に、まず問題となるのが、どういった形式をとったものとするかという点です。
社葬をもっとも大きなくくりとして考えると、そのなかにはおよそ3つの形式タイプがあると考えられます。
それぞれにメリット、デメリット、特徴などがありますから、ここではそれらをひとつずつ解説していきましょう。
まず、もっとも基本的で、本来的に社葬とよばれてきた形式のタイプを紹介しましょう。
この場合、近親者による個人的な密葬ののち、やや日にちをおいて行われる本葬として、
基本的に故人が生前に信仰していた宗旨にそう、儀式的な葬儀を社葬として会社が主催して行います。
密葬からは2~4週間ほどの間がおかれることが多く、この間に入念に準備ができる、告知などもしやすいといったメリットがあります。
会葬者が多い場合でも、比較的対応しやすいでしょう。
個人的な密葬と社葬の費用については、分担し、分けて行うことが基本ですが、近年では、密葬にかかわる部分も、企業がある程度負担することも増えてきています。
いずれにしても、社葬の費用は会社側がすべて負担して行います。
本葬として、仏式であれば僧侶の読経などが行われる葬儀式と、会葬者が会葬する告別式の2部から構成されるのが一般的です。
故人の宗旨を尊重し、その宗教儀礼として厳粛に行うものとして位置付けられていますから、故人をお送りする正式な儀礼に重点がある性格のものとなります。
しかし、そうである一方、密葬から期間も経過していますから、骨葬で行うことが多く、
参列者も拝顔はできないなど、やや一般的な本葬、告別式とは異なった特徴をもつものともなるでしょう。
こうした特徴から、密葬で宗教的な儀礼部分はほぼ済まされていると扱われるケースもあり、葬儀式よりも会葬者のための告別式に重点が置かれる社葬もあります。
この場合は、本葬としてとり行ってはいるものの、
より社会的な意味合いをもたせることの方にポイントが置かれているといえ、会社としてのメッセージやイメージを対外的に出すことが主眼化していることもあります。
このようなスタイルで行われる社葬は、近年増加傾向にありますが、
たとえそのようなものであっても、やはり故人を悼む気持ちや生前のさまざまな功績に感謝し、御冥福をお祈りする気持ちは忘れないようにしたいものです。
ご遺族の心情に対する配慮を忘れないことももちろんですね。
会社として社葬を行うには、どのような社葬にしたいのか、なぜとり行うのか、コンセプトを明確にしておくことが大切になります。
そこで決定された主眼となる目的によって、どこに重点が置かれた社葬となるのか、どのようにそれをとり行っていくかが決定されていくでしょう。
故人の功績をひろく知ってもらうため、会社として深い謝意と弔意を示すため、
故人亡き後である今後の体制について対外的にアピールし、信頼を維持・深化させるためなど、ケースによって目的はさまざまでしょう。
もちろんそれらがすべて複合的に目的としてあるということもしばしばかと思われますが、とくに優先される点を考え、専門家のアドバイスも受けながら、それに応じた形式、規模を見出していくとよいと考えられます。
↧
「形式と種類~社葬」
↧